津山洋学資料館

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過去の特別展

2024/02/26 令和5年度後期企画展 ペリー来航170周年記念 描かれた黒船艦隊

 ペリー来航170周年記念 描かれた黒船艦隊

会期:令和 5 年 10月 7日()~令和6年2 月18日(

  今から170年前、ペリー率いるアメリカ艦隊の来航を契機に、日本は幕末維新へと突入していき

 ました。この来航の際、津山藩では箕作秋坪らを浦賀へ派遣し情報収集を行わせており、その際に

 作成された絵図などが絵巻物として残されています。

   この展覧会では、館蔵資料の中から、異国船を描いた絵画資料を中心に、当時の異国船来航の様子 

 

  をご紹介しました。

2023/09/28 文明開化と明六社―津山・津和野・中津の思想家たち―

 「蘭学・洋学 三津同盟」締結記念巡回展 結成 150 周年記念」

「文明開化と明六社―津山・津和野・中津の思想家たち―」

 会期:令和 5 年 8 月 19 日()~9 月 24 日(

 

■「蘭学・洋学 三津同盟」の締結を記念し、明治期の日本の近代化において、

三市町の郷土の先人が、明六社や明六雑誌への関わりを通じて、新しい物の見方や思想をどのように考え、広く一般に啓発していったのかを紹介しました。

2023/07/31 資料が秘めた物語Ⅳ

 資料が秘めた物語Ⅳ

会期:令和5年11日()~令和5年30日(

■ 博物館に収蔵された資料は、その資料が作られてから現在にいたるまでの長い年月を、多くの人の手を介して守り伝えられてきました。その過程で経てきた様々な出来事が、資料には歴史として刻まれています。色々な角度から光をあてて研究することで、資料はその秘められた物語を語り出します。本展では、当館の収蔵資料の中から、「蔵書から見る医家の学問」「箕作阮甫の漢詩」など、 9つの物語をご紹介しました。

 

 

 

2023/04/01 鶴田藩医能勢家資料展~維新の荒波を越えた漢方医の生涯~

 鶴田藩医能勢家資料展~維新の荒波を越えた漢方医の生涯~

会期:令和4年123日()~令和5年219日(

■ 1866(慶応2)年、幕府と長州藩の間で第二次長州戦争がおこりました。親藩だった浜田藩(現在の島根県浜田市)は長州藩の攻撃を受けて、城を自ら焼いて退城。所領(飛び地)のあった美作に移り住むことになり、藩名を鶴田藩と改めました。

 代々浜田藩医を勤めた能勢家の道仙もまた、家族を連れて松江・米子までは船で、そこから陸路で美作にたどり着きました。それから1869(明治2)年まで鶴田藩医として勤め、以降は医業のかたわら漢学塾「猶興舎」を開いて門人を育て、1873年頃には小学校教員となって、教育の道へと進みました。

 本展では能勢家資料を通じて、医師・能勢道仙がどのように幕末維新の荒波を越えていったかを紹介しました。

 

■主な展示資料…能勢家の勤務の記録「能勢家明細分限帳」、私塾の門人録「金襴名簿」、能勢道仙の残した医学書など約30点

 

2022/11/14 令和4年度秋季企画展 蘭学者が見た世界―箕作省吾と新製輿地全図―

 令和4年度秋季企画展 蘭学者が見た世界―箕作省吾と新製輿地全図―

会期:令和4年1015日()~1113日() 
会場:津山洋学資料館 企画展示室
 
■18世紀後半、蘭学の勃興・発展にともない、ヨーロッパ製の世界地図や地理書が輸入されるようになりました。そうしたなかで、蘭学者は西洋の世界観に則って多くの世界地図を刊行するようになり、それまでの楕円形の世界図(マテオ・リッチ系世界図)だけでなく、両半球を双円に描く世界図(蘭学系世界図)が人々の間で広まるようになります。
箕作省吾(1821~46)は、養父箕作阮甫の協力のもと、世界地図「新製輿地全図」とその解説書となる世界地誌『坤輿図識』、『坤輿図識補』を著しました。巻子仕立てで扱いやすかった「新製輿地全図」は、当時最新の世界地図として多くの人々に世界情勢を伝え、坂本龍馬や吉田松陰らに世界を意識させたといわれています。
 本展では、蘭学者が世界をどのように認識し、いかに西洋の知識を取り入れて世界への視野を広げていったのかについてご紹介しました。

 

■主な展示資料…世界地図「新製輿地全図」とその版木、世界地誌『坤輿図識』、『坤輿図識補』など約30点

 

2022/09/26 令和4年度前期企画展 津山洋学の名品展

 令和4年度前期企画展 津山洋学の名品展

会期:令和4年319日()~925日() 
会場:津山洋学資料館 企画展示室
 
■常設展示には並んでいないけれども、津山の蘭学・洋学を語るうえで貴重な資料のほか、異国文化への関心や明治の文明開化を物語る興味深い資料などを、いくつかの小テーマに沿ってご紹介しました。

 

■主な展示資料…異国船渡来之図、東京第一大学区開成学校開業式之図、オランダ王国総領事館旧蔵のヒンデローペン装飾缶など約35点

2022/02/21 令和3年度冬季企画展 生誕200年記念 宇田川興斎

 冬季企画展 生誕200年記念 宇田川興斎

会期:令和3年1127日()~令和4年220日() 
会場:津山洋学資料館 企画展示室
 
■宇田川興斎は1821(文政4)年に大垣(現在の岐阜県)の医師 飯沼慾斎の三男として生まれました。江戸へ遊学して、津山藩医 宇田川榕菴に学び、その才能を認められて24歳で榕菴の養子となります。榕菴の没後、家督を継いで藩医として天然痘予防の牛痘種痘や藩主夫人の乳がん治療などに努めたほか、幕府の蛮書和解御用に出役して、幕末のアメリカやロシアとの交渉に携わるなど、洋学者として幅広い活躍をしました。

 本展では、生誕200年を迎えるのを記念して、興斎の生涯と業績をご紹介しました。

 

■主な展示資料…実用技術の百科事典の翻訳書『萬宝新書』、洋学者の英語学習に大きな役割を果たした『英吉利文典』など約50点

2021/11/08 令和3年度夏季企画展 あれも薬 これも薬

 夏季企画展 あれも薬 これも薬

会期:令和3年73日()~117日() 
会場:津山洋学資料館 企画展示室
 
■人は太古の昔から、自然界にある植物や動物、鉱物などを薬として使ってきました。どんな物がどの病に効くのか、試しながら経験的に発見してきたのです。
 江戸時代の薬は、自然由来の生薬であり、刻んで乾燥させるなどの簡単な加工を施して、薬効が高くなるように調合されました
。薬の原材料となる生薬の供給は、18世紀初頭まで中国からの輸入に頼っていましたが、薬の需要が増えるなかで生薬の国産化が求められるようになり、薬の原料を研究する本草学が盛んになります。
 また、西洋医学を学ぶ医師が増えてくると、珍しい西洋の薬への関心も高まりました。当時は、いわゆる「鎖国」によって、中
国人とオランダ人のみが、長崎で交易を許された時代でしたが、医師たちは治療に役立つものを見つけ出そうと、両国から輸入される薬を研究したのでした。
 本展では、江戸時代から明治時代にかけて、人々が薬に対してどのような関心を持ち、どのように研究したのかをご紹介しました
 
※ 秋季企画展の延期により、会期を延長して開催しました。
 
■主な展示資料…江戸時代の薬学書『遠西医方名物考』、岸田吟香が販売した目薬「精錡水」の看板など約40点
2021/06/14 令和3年度春季企画展 資料が秘めた物語Ⅲ 洋学者がみた西洋文化

 春季企画展 資料が秘めた物語Ⅲ ~洋学者がみた西洋文化~

会期:令和3年313日()~613日() 
 ※5月16日(日)~6月13日(日)は緊急事態宣言発出のため臨時休館
会場:津山洋学資料館 企画展示室
 
■江戸時代の洋学者たちは、西洋から医学や植物学、化学などの新しい学問を受容しました。それだけではなく、西洋の衣・食などの文化にも関心を持って、様々な記録を残しています。
 今回の企画展では、江戸時代の蘭学のはじまり頃から明治時代まで、資料に秘められた洋学者たちの「西洋文化・文明への好奇心」をテーマにご紹介しました。
 
■主な展示資料…「芝蘭堂新元会図」(複製)、『紅毛雑話』、『長崎聞見録』、ジュネーバ瓶、ペリー来航絵巻など約40点
2021/02/22 令和2年度冬季企画展 仁木永祐と籾山黌をめぐる人々

冬季企画展 仁木永祐と籾山黌をめぐる人々

会期:令和2年1128日()~221日()
会場:津山洋学資料館 企画展示室
 
■津山市街の北方、籾保の丘陵に、高さ4メートル程もある、大きな石碑があります。この石碑は、江戸時代後期から明治時代にかけて、この地で医療や教育、政治に尽力した医師 仁木永祐を顕彰するため、門人や地域の人々によって建立されたものです。
 永祐は1830(文政13)年に下津川村(現在の津山市加茂町下津川)の中庄屋 豊田伊兵衛の四男に生まれました。江戸や大坂へ遊学して洋学と漢学を学び、籾山村(現在の津山市籾保)の医師 仁木隆助の養子となって地域医療に尽力。明治時代には自由民権運動にも参加して「美作の板垣退助」と呼ばれました。
 永祐の業績のひとつに、郷校 籾山黌の創設があります。1860(万延元)年、隆助らと共に藩の許しを得て開いた籾山黌には近郷から多くの門人が集まり、主に漢学や医学の教育が行われました。明治時代になり、学校制度が整備されていく中で籾山黌は閉校されますが、その歴史の中で井手毛三(衆議院議員)、中島大次郎(苫田郡医師会長)、米井源治郎(麒麟麦酒創業者の一人)ら、明治の世を担う人々を育てました。
 本展では、永祐の生誕190年を記念し、永祐の生涯と籾山黌をめぐる人々についてご紹介しました。

■主な展示資料…籾山黌ゆかりの書見台、拍子木、出席帳など約50点

 

2020/11/09 新館開館10周年記念企画展 シーボルトと岡山の洋学者たち

新館開館10周年記念企画展 シーボルトと岡山の洋学者たち

会期:令和2年1010日()~118日()
会場:津山洋学資料館 企画展示室
 
■シーボルトは1796年にヴュルツブルク(現在のドイツ)で生まれ、1823(文政6)年に出島のオランダ商館付き医師として来日しました。長崎郊外に鳴滝塾を開いて日本人の門人を育て、江戸参府の機会などを利用して各地の洋学者とも交流。西洋の知識を伝えて、洋学の発展に大きな役割を果たしました。
 現在の岡山県域からは、石井宗謙、児玉順蔵、石坂桑亀の三人が鳴滝塾に入門し、津山藩の洋学者では宇田川榕菴と箕作阮甫が江戸で交流しています。
 本展では、シーボルトの生涯と業績、そしてシーボルトと交流した岡山の洋学者たちについて、約50点の資料を展示してご紹介しました。
■主な展示資料…シーボルト自筆の免許状、門弟誓約書案、伝シーボルト使用薬籠、眼科手術器具、シーボルト著”NIPPIN","Fauna Japonica",”Flora Japonica"など約50点
 

 

2020/09/22 令和2年度夏季企画展 箕作博士の水族館

夏季企画展 箕作博士の水族館
 神奈川県立生命の星・地球博物館企画協力
会期:令和2年日()~22日(火・祝)
会場:津山洋学資料館 企画展示室(津山市西新町5)
 
■箕作佳吉は、洋学者箕作阮甫の孫として、1857(安政4)年に江戸の津山藩邸で生まれ、アメリカ留学を経て26歳で東京大学の日本人最初の動物学教授となりました。日本における近代的な動物学研究の確立に尽力し、その功績を反映して、佳吉に献名された生物がたくさんいます。
 本展では、著作や書簡などの資料から佳吉の生涯と業績をたどり、あわせて佳吉にちなんで名づけられた生物たちをご紹介しました。
■主な展示資料…箕作佳吉著『普通教育動物学教科書』および『同 註釈』、アメリカの魚類学者D. S. ジョルダンや福沢諭吉から箕作佳吉への書簡、佳吉にちなんで名づけられた魚類のパネル展示など

 

 

 

2020/06/23 令和2年度春季企画展 資料が秘めた物語Ⅱ 

 春季企画展 資料が秘めた物語 Ⅱ

会期:令和2年37日()~621日()
会場:津山洋学資料館 企画展示室(津山市西新町5)
 
■博物館に収蔵された資料は、その資料が作られてから現在までの長い年月を、多くの人の手を介して守り伝えられてきました。その過程で経てきた出来事が、資料には歴史として刻まれています。様々な角度から光をあてて研究することで、資料はその秘められた物語を語り出します。本展では、当館の収蔵資料館の中から8つの物語を紹介しました。
■主な展示資料…オランダカルタ、水田昌二郎研究原稿、「蘭学祭」パンフレット、『医範提綱』「内象銅版図」、岸田吟香 鐵飴煎引札など約30点
 
2020/02/17 令和元年度冬季企画展 津山藩の英学事始

 

令和元年度冬季企画展 津山藩の英学事始
会期:令和元年11月23日()~2月16日()
 
■江戸時代の終わり、日本を取り巻く海外情勢が大きく変化する中で、オランダ語に代わって英語に対する関心が高まり、英語で西洋の学術を学ぶ「英学」が興ります。
 津山藩の洋学者たちは、この新しい言語にどのように取り組んだのでしょうか?それぞれの英学事始をご紹介しました。
 
■主な展示資料…宇田川榕菴筆「印版法術」、ペリー来航絵巻、『英和対訳袖珍辞書』など約50点
 
 

 

 

 

2019/11/04 令和元年度秋季企画展 武雄×津山交流展示 日本を動かす!-武雄の蘭学-

 

武雄×津山交流展示 日本を動かす!-武雄の蘭学-
会期:令和元年10月5日()~11月4日(月・休)
 
■佐賀県の西部に位置する武雄は、江戸時代、佐賀藩に属し藩の請役(家老)などを勤めた武雄鍋島家によって治められていました。江戸時代後期の武雄領主 鍋島茂義は、長崎警備を担当した際にオランダ船を訪問し、西洋の進んだ科学力を目にしたと伝えられます。積極的に西洋の文物収集して蘭学研究を推進し、西洋砲術の習得、大砲鋳造、蒸気船建造などに取り組みました。
 佐賀藩の藩主鍋島直正は、武雄の行った砲術訓練を見て、藩に西洋砲術を導入することを決意します。これにより、佐賀藩は急速な近代化に成功し、幕末維新期での活躍につながりました。武雄で培われた科学技術力が、まさに「日本を動かす」力となったのです。
 武雄には、茂義が収集した西洋の文物や蘭学研究に関する2,200点を超える資料が伝来しており、一括して国の重要文化財に指定されています。本展では、蘭学(洋学)という共通の歴史を持つ武雄と津山の交流展示として、武雄市の所蔵する貴重な資料を借用・展示し、武雄の蘭学についてご紹介しました。
 
 

 

 

 

2019/09/17 令和元年度夏季企画展 箕作家の歴史研究

 季企画展 箕作家の歴史研究-西洋史はどう伝わったか-

 

 会期:令和元年7月6日(土)~9月16日(月・祝)

 

津山藩の洋学者箕作阮甫は、生涯で160冊を越える著訳書を著わしました。その内容は、医学や語学、地理学、科学技術など多岐にわたります。なかでも西洋の歴史は、特に力を入れて研究した分野の一つです。養子となった省吾とともに、地理書『坤輿図識』を刊行し、世界の国々の歴史についても紹介しました。その補編を執筆中に省吾は病没し、遺志を継いだ阮甫の手によってまとめられます。江戸時代の後期、諸外国の船が相次いで来航し、人々が世界へと視野を広げていくなかで、阮甫と省吾はその関心に応えたのでした。
 さらに阮甫の初孫である麟祥は、幕府の開成所に出仕し、パリ万国博覧会に派遣された徳川昭武に随行、見聞を拡げました。明治時代になると司法省に入職し、フランス法学や経済学を学びます。法制官僚として活躍するかたわら、『万国新史』を刊行し、世界の歴史を綴りました。
 同じく阮甫の孫で、麟祥の従弟にあたる元八は、二度のドイツ留学を経て東京帝国大学文科大学(現 東京大学文学部)西洋史学科教授となりました。元八は『フランス大革命史』をはじめとする多くの歴史書を著わし、それらの本を皇太子時代に愛読した昭和天皇は、のちに「最も知的な影響を受けた」と語られています。
 本展では、今年没後100年を迎える元八の業績を中心に、江戸時代の終わりから明治、大正時代にかけて、箕作家歴代の人々がどのように西洋史研究に取り組んだのかを紹介しました。

 


主な展示資料…『坤輿図識』、『新訳和蘭国全図』、『万国新史』、『西洋史話』、『フランス大革命史』、『ナポレオン時代史』など約70点

 

2019/06/24 平成31年度春季企画展 生誕250年記念 杉田玄白門人 小林令助

 季企画展 生誕250年記念 杉田玄白門人 小林令助

 

 会期:平成31年3月9日(土)~6月23日(日)

 

小林令助は、美作国勝南郡岡村(現在の岡山県勝田郡勝央町岡)の医師 小林景治の三男として、1769(明和6)年に生まれました。18歳で江戸へ遊学して蘭学の大家である杉田玄白に外科医術を学び、4年後に帰郷して開業しますが、1799(寛政11)年には京都に赴き、漢方医(古医方)の吉益南涯に内科医術を学びました。津山藩医の宇田川玄真や、玄真の弟子でのちに加賀藩医となる藤井方亭ら、蘭学者と交流し、1819(文政2)年には、当時岡村を治めていた出石藩の藩医に登用されています。そして、1851(嘉永4)年、83歳で地域医療に尽くした生涯を閉じました。

 本展では、生誕250年を記念し、令助に宛てられた杉田玄白や宇田川玄真らの手紙など、小林家に伝来する資料約30点を展示して、令助の生涯と業績を紹介しました。

 


主な展示資料…小林令助にあてた杉田玄白や宇田川玄真、藤井方亭、吉益南涯の書簡、出石藩主から拝領した扇子や裃、令助自筆の俳句短冊など約30点

 

2019/02/25 平成30年度冬季企画展 美作地域の華岡門人

冬季企画展 美作地域の華岡門人

 

紀州(現在の和歌山県)の医師 華岡青洲は、1804(文化元)年、世界で初めての全身麻酔による乳がん摘出を成功させました。青洲のもとには、その医術を学ぼうと全国からたくさんの医師が集まりました。美作地域からも、記録に残っているだけで30人以上の医師が、青洲やその後裔たちが開いた医塾に入門しています。

 本展では、久原洪哉や横山廉造、山田純造、芳村杏斎ら、華岡流の医術を学び、地域の医療に貢献した美作の医師たちについて紹介しました。

 

主な展示資料…「華岡流外科医術絵巻」、「乳巖図」、華岡流の外科器具など約30点

 

2018/11/19 平成30年度秋季企画展 天を測り地を量る

秋季企画展 天を測り地を量る

 

「測量」という言葉は、「測天量地(天を測り、地を量る)」という中国の言葉に由来しているとされ、江戸時代には土地をはかることだけでなく、天をはかる天文学でも用いられていました。

 測量術と天文学は、どちらも古代に中国かや朝鮮半島から知識が伝来しました。江戸時代になると、西洋からもたらされた知識や技術を取り入れて、相互に影響を与えながら大きく発展していきます。

 本展では、日本で初めて実測による日本地図を作成し、測量史に大きな足跡を残す伊能忠敬の没後200年を記念し、江戸時代における測量術と天文学の歴史を紹介しました。

 

主な展示資料…遠眼鏡、望遠鏡、天文学書、暦学書、測量器具、測量術書など約50点

 

2018/09/25 平成30年度夏季企画展 洋書が伝えた不思議な生き物

夏季企画展 洋書が伝えた不思議な生き物

会期:平成30年7月7日(土)~9月24日(月・祝)

江戸時代、オランダ船がもたらした西洋の書物には、日本ではまだ目にしたことのない様々な生き物が描かれていました。おどろいた洋学者たちは、その姿を写して自分の本の中で紹介し、人々に伝えました。

◆本展では、版画や洋学者たちの刊行した本など約30点の資料を展示して、江戸時代の人々を驚かせた不思議な生き物たちをご紹介しました。

 

主な展示資料…『紅毛雑話』、『六物新志』、『一角纂考』、『遠西医方名物考』、「宇田川榕菴蔵張込帖」、「駱駝図」など約30点

 

2018/06/25 平成30年度春季企画展 文明開化と美作の医学

 

春季企画展 文明開化と美作の医学

会期:平成30年3月10日(土)~平成30年6月24日(日)

 

江戸幕府が倒れ、新しい時代を迎えた日本では、西洋の制度や産業、思想が積極的に取り入れられ、その風潮は「文明開化」と呼ばれました。医学に関しても新しい制度ができ、大きく変化していきます。 本展では、「文明開化」の様子と、その時期の美作地域の「医学」がおかれた状況をご紹介しました。

 

主な展示資料…中澤廣江宛箕作秋坪書簡、福澤諭吉著『学問のすゝめ』、高橋正純著『虎列刺病論』、開化錦絵「東京名所之内 上野山内一覧之図」など35点

 

 

2018/02/26 平成29年度冬季企画展 日本の化学の夜明けと津山の洋学者

冬季企画展 日本の化学の夜明けと津山の洋学者

会期:平成29年11月18日(土)~平成30年2月25日(日)

津山藩の洋学者 宇田川榕菴は、『舎密開宗(セイミかいそう)』によって、日本に初めて体系的な化学を導入し、元素や窒素、水素、酸化、還元などたくさんの化学の用語を考案しました。また、その孫である宇田川準一は大阪開成所で理化学を学び、化学や物理の教科書を刊行。そして、津山藩医 久原洪哉の長男である久原躬弦は、東京大学化学科を第1回生として卒業し、日本における理論有機化学の先駆者となって、京都帝国大学の総長などを歴任しました。

 

 

 

本展では、江戸後期から明治初期にかけての日本の化学史と、その中で活躍した津山の洋学者 宇田川榕菴、宇田川準一、久原躬弦についてご紹介しました。

主な展示資料…『舎密開宗』、榕菴自筆の化学に関する原稿「糖酸についての訳稿」「印版法術」、宇田川準一の著した化学の教科書『化学階梯』、久原躬弦東京大学化学科第1回卒業証書(化学遺産)など約40点

2017/11/06 平成29年度秋季企画展 絵画史料に見る江戸の洋楽事始

秋季企画展 絵画史料に見る江戸の洋楽事始

会期:平成29年10月7日(土)~11月5日(日)

いわゆる「鎖国」体制下にあった日本にも、長崎の出島を通じて西洋の音楽はわずかにもたらされていました。そのような中で、津山の洋学者 宇田川榕菴は、日本で初めて西洋の音楽を学術的に研究し、たくさんの原稿を残しました。

本展では、宇田川榕菴の音楽研究を中心に、神戸市立博物館所蔵の長崎版画や横浜絵など楽器や演奏風景が描かれた絵画史料を通じて、江戸時代における西洋音楽の受容について紹介しました。

主な展示資料…阿蘭陀人図、紅毛人巡見之図、宇田川榕菴著「和蘭邦訳洋楽入門」、「西洋楽律稿」、米利堅人応接之図、横浜鈍宅之図など28点

 

2017/09/25 平成29年度夏季企画展 和時計―西洋の技、日本の心―

季企画展 和時計―西洋の技、日本の心―

会期:平成29年7月1日(土)~9月24日(日)

◆ 時計は、16世紀後半、鉄砲と同じころに、西洋から日本へもたらされました。当時の職人たちは、歯車やゼンマイなどの構造を理解し応用して、日本の不定時法(季節によって昼夜の時間の長さが変わる)に対応させた独自の時計「和時計」を作り上げたのです。 

本展では、江戸中期から幕末に作られた和時計や明治初期の輸入時計、明治中期以後の国産時計を展示し、洋学とともに日本の近代化を支えた機械技術の発展をご紹介しました。

 

 

2017/06/20 平成29年度春季企画展 箕作家の人々ー秋坪の4人の息子たちー

春季企画展 箕作家の人々ー秋坪の4人の息子たちー

会期:平成29年3月4日(土)~6月18日(日)

「箕作の血は学者の血」明治期のジャーナリスト福地源一郎をしてこう言わしめた箕作家の一族は、阮甫以降、多くの学者の生みだしてきました

そのうち、阮甫の養子となった秋坪と阮甫の三女つねの間には4人の息子がおり、長男奎吾、次男大麓は幕府の派遣でイギリスへ留学。奎吾は20歳で亡くなりますが、大麓は二度目の留学を経て、のちに東京帝国大学の総長や文部大臣、京都帝国大学総長を歴任しました。

三男佳吉はアメリカへ留学して、東京大学の日本人最初の動物学教授となり、四男元八もまたドイツやフランスに学び東京大学の歴史学教授を勤めました。

本展では、資料館に収蔵する兄弟間で交わした手紙や著書など約50点の資料をもとに、4人の生涯と業績を紹介しました。

主な展示資料…菊池大麓書、箕作佳吉宛ての福沢諭吉の書簡、箕作元八の留学中の日記など

 

2017/02/20 平成28年度冬季企画展 山田純造生誕180周年記念 海田の医家山田家の人と学問

冬季企画展 山田純造生誕180周年記念 海田の医家山田家の人と学問

会期:平成28年11月19日(土)~平成29年2月19日(日)

山田家は、海田(現在の美作市海田)で代々医業を営んできた家系です。医家として6代目にあたる純造は、大坂にあった華岡流医塾の合水堂で学び、天然痘予防の種痘の普及にも尽力しました。山田家の医院仙巌堂には、治療を求める人たちが、雲がわくように集まったといいます。

山田家には多くの医学書や医療器具が伝来しており、これらは華岡流という蘭漢折衷の医学を習得した医師の学問や医療活動の様子を伝える、大変貴重なものです。

主な展示資料…華岡青洲肖像画、「乳癌図」、難波抱節書、経絡人形、薬箱など

 

 

本展では、これらの資料を通して、山田家の人々とその医業についてご紹介しました。

2016/11/07 平成28年度秋季企画展 生誕170周年記念 日本近代法学の祖 箕作麟祥

秋季企画展 生誕170周年記念 日本近代法学の祖 箕作麟祥

会期:10月8日(土)~11月6日(日)

箕作麟祥は、津山藩医で洋学者として名高い箕作阮甫の孫として、1846(弘化3)年に津山藩の上屋敷で生まれました。生後間もなく父省吾を亡くし、母ちまも奉公に出たため、阮甫のもとで育てられ、もっともよくその性格を受け継いだといわれます。

21歳でパリ万国博覧会に派遣された徳川昭武に随行し、この際独学でフランス語を習得したことで、帰国後明治政府からフランスのナポレオン法典の翻訳を命じられます。そうして刊行した『仏蘭西法律書』は、日本にはじめてヨーロッパの近代法の全文を紹介し、その後の法典編さんに貢献しました。

「民権」や「動産」「不動産」など多くの法律の用語を考案し、「憲法」を現代用いる意味で使ったのも麟祥が最初です。また、民法をはじめとする各種法律の制定に携わり、日本近代法学の祖とも称されているのです。本展では、本年、麟祥が生誕170周年を迎えたのを機に、麟祥の生涯と業績を紹介しました。

主な展示資料…『仏蘭西法律書』の自筆稿本、ガラス板写真、日本で最初の法学博士学位記など46点

2016/09/26 平成28年度夏季企画展 言の葉の海へ―オランダ語翻訳に挑む―

夏季企画展 言の葉の海へーオランダ語翻訳に挑む-

会期:平成28年7月2日(土)~9月25日(日)

 

江戸時代の日本は厳しく海外との交流を制限しており、ヨーロッパ諸国の中では唯一オランダとだけ交易を行っていました。そのため西洋の学術や文化はオランダ船よって長崎の出島にもたらされました。蘭学者たちは、西洋の学問を学ぶため、オランダ語の翻訳に挑みました。そして新しい知識を得て、まだ日本にないモノや概念には、新しい言葉を作りだしました。本展では、まだ本格的な辞書も刊行されていない時代から、オランダ語の翻訳に挑んだ蘭学者たちの足跡をご紹介しました。

 

 主な展示資料…杉田玄白が解体新書翻訳時の苦労を綴った『蘭学事始』、日本で2番目の蘭日辞書『訳鍵』、宇田川玄真が翻訳時に携えていたといわれる「字韻集」、宇田川榕菴が翻訳時の参考にしたとされる「華音要集」など約30点

2016/02/08 平成27年度冬季企画展 津山藩の絵師鍬形家と洋学者

 

冬季企画展 津山藩の絵師鍬形家と洋学者

会期:平成27年10月17日(土)~平成28年2月7日(日)

「江戸一目図」で名高い鍬形蕙斎(1764~1824)は、はじめ北尾政美の名で浮世絵師として人気を博し、1794(寛政6)年に31歳で津山藩の絵師として召し抱えられました。蕙斎の画業への評価とともに特筆すべきなのが文人や学者たちとの交流で、宇田川玄真や森島中良ら洋学者とも交流した記録があります。

 さらに蕙斎の跡を継いだ赤子(1800~1855)は、1854(嘉永7)年のペリー再来航に際し、藩命で洋学者の箕作秋坪、宇田川興斎とともに浦賀に偵察に赴きました。各地に伝来する黒船を描いた絵巻には、赤子が描いたものやそれらを写したものがあり、黒船をめぐる学者たちのネットワークが垣間見えてくるのです。

 本展では、津山藩の絵師を勤めた鍬形家3代のうち、初代蕙斎と2代赤子について、洋学者たちとの交流という側面からご紹介しました。

 

◆主な展示資料…森島中良編『紅毛雑話』、鍬形蕙斎画『魚貝譜』、大槻磐渓編「金海奇観」、「ペリー来航絵巻」など

2015/10/11 平成27年度秋季企画展 解剖図の世界-江戸から現代(いま)へ-

秋季企画展 解剖図の世界-江戸から現代(いま)へ-

会期:平成27年9月5日(土)~10月4日(日)

平成27年は京都で山脇東洋が、日本最初の人体解剖を行ってから260周年にあたりました。この解剖の記録として『蔵志』が出版され、「五臓六腑」図が否定されます。当時の医師たちは人体の内部を自分の目で確かめるため、各地で解剖を行いました。『解体新書』翻訳のきっかけとなった、江戸小塚原の腑分けもその一環です。日本の医学の発展に大きな役割を果たした解剖図、そして、現代の解剖図―メディカルイラストレーション―を一堂に展示することにより、江戸時代から現代へ繋がる医学の発展を紹介しました。

 

◆主な展示資料…五臓六腑図、山脇東洋肖像、山脇東洋解剖図、解剖存真図、刑死者解体図、産科人形、生き人形、房事養生鑑、飲食養生鑑、メディカルイラストレーションなど

2015/08/24 平成27年度夏季企画展 資料受託記念 明治天皇の侍医頭 岡玄卿

 

夏季企画展 資料受託記念 明治天皇の侍医頭 岡玄卿

会期:6月27日(土)~8月23日(日)

岡玄卿は、墓誌によると1852(嘉永5)年に津山藩の大坂蔵屋敷で生まれたとあります。1876(明治9)年に東京医学校(翌年東京大学医学部に改称)を第一期生として首席で卒業。同大の医員から助教を経て、助教授となります。1883(明治16)年に宮内省から侍医を拝命し、1908(明治41)年には侍医頭となりました。そして、1912(明治45)年の明治天皇の崩御に立ち会ったのでした。本展では、医療器具や写真、拝領品などを約50点を展示して、玄卿の生涯と業績をご紹介しました。

 

◆主な展示資料…岡玄卿訳『診断捷径』とその「版権免許之証」、聴診器・浮き秤など医療器具、銀製銚子・香炉・重箱などの拝領品

2015/06/22 平成27年度春季企画展 津山藩医久原家の幕末・明治

春季企画展 久原洪哉生誕190周年記念 津山藩医久原家の幕末・明治

会期:3月21日(土)~6月21日(日)

平成27年、代々津山藩医を勤めた久原家の9代目洪哉(こうさい)の生誕190年、および長子躬弦(みつる)の生誕160年を迎えました。

 その記念展として、久原家として最後の藩医となった洪哉、その長男で化学者となった躬弦、医業を継いだ次男茂良の業績を紹介し、医家久原家の幕末・明治の姿をご紹介しました。久原家の地元である津山市二階町の方など、たくさんの方が来場されました。

 

◆主な展示資料…久原甫雲宛て阿蘭陀流外科免許状、久原宗甫勤向記録、久原宗甫宛て久原躬弦書簡など

 

2015/03/16 平成26年度冬季企画展 生誕190周年記念 箕作秋坪

 

冬季企画展 生誕190周年記念 箕作秋坪

会期:11月22日(土)~平成27年3月15日(日)

箕作秋坪(みつくりしゅうへい)が生まれてから、2015年でちょうど190年を迎えました。26歳で津山藩医箕作阮甫の養子となり、藩医の仕事のかたわら幕府の蛮書和解御用にも出役。2度にわたって幕府の使節に随行して渡欧し、外交交渉にも従事しました。

明治維新後は洋学塾・三叉学舎を開いて多くの門人を育成。三叉学舎は、福澤諭吉の慶応義塾と共に、双璧と賞されました。

これほどの活躍の一方で、秋坪は自身の考えを示すような著述はあまり刊行していません。その中で、秋坪の時勢に対する考えや、子供たちへの思いを教えてくれるのが、知人や家族に宛てた手紙でした。本展では、展示初出展となる自筆の手紙を中心に、約30点の資料から秋坪の生涯と業績をご紹介しました。

◆主な展示資料…川村清雄画「箕作秋坪肖像画」、箕作秋坪翻刻『格致問答』、『明六雑誌』、黒船来航絵巻、箕作秋坪自筆書簡など

 

2014/11/10 新館開館5周年記念企画展 平戸松浦家伝来の至宝

新館開館5周年記念企画展 平戸松浦家伝来の至宝

会期:10月11日(土)~11月9日(日)

大航海時代、ヨーロッパから出港し、はるかな海路を越えた船が日本へと来航しました。こうしてはじまった初期のヨーロッパとの交流において、重要な役割を果たしたのが、平戸とその領主・松浦家でした。

 ポルトガル船が来航し、オランダやイギリスは商館を設置。幕府によってオランダ商館が長崎出島へ移転させられるまでの約90年間、平戸は「西の都」とよばれるほどの繁栄を極めました。

 本展では、公益財団法人松浦史料博物館の所蔵する、貴重な海外交流関係資料をお借りして展示しました。初日には松浦史料博物館館長の岡山芳治先生を講師にお招きして特別展示解説も実施し、会期中たくさんの方が観覧されました。

 

主な展示資料:紺糸威肩白赤胴丸、外国人之図、蛮錨図並関係文書、豊臣秀吉キリシタン禁制定書、「甲子夜話」など21件

2014/09/29 平成26年度夏季企画展 -未公開資料を中心とした-資料・モノ・がたり

平成26年度夏季企画展 -未公開資料を中心とした-資料・モノ・がたり

会期:7月5日(土)~9月28日(日)

洋学資料館の収蔵庫で出番を待つたくさんの資料たち。これらは単なる「モノ」ではなく、津山の洋学に関する「語り部」なのです。

 本展では、新収蔵の未公開資料を中心に、「西洋へのあこがれ」「絵画に見る「西洋」技法」「阮甫と東海道」などの小テーマを設けて展示しました。来館された方は、資料たちの紡ぎ出す物語に、じっと耳を傾けておられるようでした。

 

主な展示資料:浮世絵「美人東海道」、宇田川玄随書幅、箕作阮甫書幅など約30点

2014/06/23 平成26年度春季企画展 花、開く-榕菴の植物研究-

平成26年度春季企画展 花、開くー榕菴の植物研究-

会期:3月23日(日)~6月22日(日)

 

今から180年前の1834年(天保5)、日本で最初の本格的な植物学書『植学啓原』が刊行されました。著者は宇田川榕菴。津山藩の藩医で、西洋の学問を研究する洋学者でした。

 江戸時代の日本には、「本草学」という薬のもととなる植物を研究する学問がありました。榕菴も、本草学の研究に打ち込んでいましたが、20歳の時、オランダ語の事典を読んでいて、西洋には「植物学」という、薬になる否かに関係なく植物を研究する学問があることを知ります。それから研究を重ね、16年後に刊行したのが『植学啓原』でした。この書によって、日本の植物学研究の端緒は開かれたのです。

 本展では、榕菴が本草学から植物学(植学)へと研究を開花させていく様子を、数々の植物図とともにご紹介しました。

 

主な展示資料:「植学啓原」色校正原稿、宇田川榕菴蔵貼込帖、『菩多尼訶経』、『植学啓原』など約30点

2014/03/17 平成25年度冬季企画展 くらしと実学―在村知識人の活動-

 

 平成25年度冬季企画展 くらしと実学―在村知識人の活動-

  期間:平成25年11月30日~平成26年3月16日


 田熊村の中村家は医業のかたわら、和算の知識をいかして地域に様々な貢献をしています。周辺の人々に算術を教え、土地の測量を行って地図を作成しました。そればかりか、たびたび氾濫する加茂川の水から田を守るため、掘り抜きの用水路工事まで指導しています。

今回の企画展ではそんな中村家の事績を中心に、在村知識人の活動の一端をご紹介しました。

 

  主な展示資料 中村周介宛算道修行盟文、和算問題集写本、「玉積玉弧積並玉皮積法 全」、南蛮流正圓半月規など

 

 

2013/11/18 平成25年度秋季企画展 よみがえる長崎出島のくらし

  平成25年度秋季企画展 よみがえる長崎出島のくらし

  期間:平成25年10月12日~11月17日


 江戸時代、日本が西洋諸国の中で、唯一交流していたのはオランダでした。その交流の舞台となったのが長崎の出島です。出島は、オランダ商館員たちの生活の場であり、貿易の拠点であり、そして西洋からの文化や学問の入口だったのです。

 本展では、出島から発掘されたオランダ人たちの生活用品や貿易品、そして蘭学の導入に大きな役割を果たしたシーボルトの関係資料を展示し、出島のくらしと、出島が果たしてきた役割をご紹介しました。

 

  主な展示資料 染付芙蓉手大皿VOC字文、コンプラ瓶、クレイパイプ、ボタン、鍋

        シーボルト服紋、シーボルトが娘いねに贈った『ウェランド初歩蘭語文法書』など

2013/06/24 平成25年度 生誕180年記念企画展 岸田吟香~わがふるさとは~

  平成25年度 生誕180年記念企画展 岸田吟香~わがふるさとは~

  期間:平成25年4月20日~6月23日


 平成25年は岸田吟香が生まれてから180年にあたります。

  岸田吟香は久米北条郡中垪和谷村(今の美咲町栃原)に生まれました。

  30歳のとき、横浜でアメリカ人医師・ヘボンに才能を見出されて日本初の和英辞書『和英語林集成』の編集を手伝い、ヘボン処方の目薬・精錡水を発売。また、日本初の邦字新聞『海外新聞』の創刊にも協力しました。

 明治になると、東京・横浜間に蒸気船の定期航路を開き、銀座に薬局・楽善堂を開店。日本初の盲学校・訓盲院の創設にも尽力するなど、多方面で先駆的な役割を果たしたのでした。

 本展では、吟香の生誕180年を記念し、その多彩な活躍と、美作地域ゆかりの資料から郷里に残された足跡を紹介しました。

   

  主な展示資料 日本で最初の液体目薬「精錡水」の壜や引札(広告)、大看板、吟香自筆の書簡など

2012/12/05 平成24年度 牧野富太郎生誕150年記念企画展 首都大学東京付置機関牧野標本館協力企画 植物に魅せられた二人―シーボルトと牧野富太郎の植物標本―

  平成24年度 牧野富太郎生誕150年記念 首都大学東京付置機関牧野標本館協力企画

   植物に魅せられた二人 ―シーボルトと牧野富太郎の植物標本―

  期間:平成24年10月6日~12月2日

  

 日本をこよなく愛し、津山藩医・宇田川榕菴をはじめ蘭学者たちと交流しながら、数多くの植物を採取してヨーロッパへ持ち帰ったシーボルト。

 植物の研究に没頭して「日本における植物学の父」とも称される牧野富太郎。

 二人をつなぐ宇田川榕菴著『植学啓原』には、シーボルトが榕菴にちなんで名付けた植物の図が載り、牧野富太郎はこの書を「本棚に備えておくべき1冊」と高く評価しています。

 彼ら植物に魅せられた者たちによって、日本の植物学研究は大きく進歩しました。首都大学東京付置機関 牧野標本館に保存されている、シーボルトと牧野富太郎が採集した植物標本を展示し、2人の植物への愛情や研究への情熱を紹介しました。

2012/09/24 平成24年度企画展 地図で世界を旅しよう!!

 

  平成24年度企画展 地図で世界を旅しよう!!

  期間:平成24年7月14日~9月23日


 江戸時代の日本は、いわゆる「鎖国」政策によって、外国との交流が厳しく制限 

  されていました。もちろん海外へ旅することも、固く禁じられていました。

  そのため、洋学者たちは、オランダや中国から少しずつもたらされる本や地図に 

  よって外国のことを知り、実際に目にすることにない世界に思いを馳せていたの 

  です。本展では、江戸時代の地図や地理書約40点を展示し、当時の人々が抱いてい  

  た世界のイメージを紹介しました。

 

  主な展示資料 万国渡海双六、坤輿全図(複製)屏風、『坤輿図識補』、『八紘通誌』、『地球説略』、『三国通覧図説』など

2012/07/02 平成24年度企画展 万病に挑む-在村医たちの足跡を追って-

 平成24年度企画展 万病に挑む-在村医たちの足跡を追って-

  期間:平成24年4月21日~平成24年7月1日
 

 江戸時代の医術も、今と同様に内科・外科・歯科・産科などと分かれていて、医師にもそれぞれ得意分野がありました。しかし、交通・通信手段が未発達な当時は、医師は地域に密着し、自分が暮らす地域の病人は、たとえ自分の専門以外でも受け入れて、様々な病気を治療していたのです。そのような在村医と呼ばれる医師が、かつては各地にいましたが、歳月の経過とともに忘れ去られてしまう人物もいます。本展では、洋学資料館の長年の調査で、少しずつ明らかになってきた美作地域の在村医の足跡を、資料や写真パネルで紹介しました。

2012/04/16 平成23年度企画展 幕末維新を駆け抜けた女医 光後玉江

  平成23年度企画展  幕末維新を駆け抜けた女医光後玉江

  期間:平成23年11月19日~平成24年4月15日
 

 光後玉江は、1830年(天保元)、久米北條郡錦織村(今の美咲町)に生まれました。父は津山藩医の箕作阮甫とも交流の深い医師で、玉江も15歳で津山藩医の野上玄雄に入門。医学と産科を学び、28歳で開業しました。以来47年にわたり、江戸から明治へと大きく社会が変動していく中、産科医として、また当時まだ数少ない女性の医師としての生涯を生き抜いたのでした。

 本展では玉江が診療を行った興禅寺に伝わる資料をもとに、玉江の生涯と事績を紹介しました。

 

 

主な展示資料
玉江が処方した薬の記録「処剤録」、箕作阮甫書簡など

 

 

2011/11/07 蛮書和解御用創設200周年記念企画展 蛮書和解御用と津山藩の洋学者

 蛮書和解御用創設200周年記念企画展  蛮書和解御用と津山藩の洋学者

  期間:平成23年10月8日~平成23年11月6日
 

 1811年(文化8)、幕府の天文方に蛮書和解御用が創設され、ショメール百科事典などの翻訳事業が開始されました。そこへ出仕を命じられ、翻訳事業を推進したのは、馬場佐十郎や大槻玄沢をはじめ、当時第一線で活躍していた洋学者たちであり、津山藩からも、宇田川玄真以来多くの洋学者がこの事業に携わっています。平成23年にちょうど創設200周年を迎えるのを記念して、蛮書和解御用に津山藩の洋学者がどのように関わっていたかを振り返ってみました。 

 

 

主な展示資料
洋学者たちが翻訳に励んだ『ショメール百科事典』(オランダ語版)とその訳稿をまとめた「厚生新編」など

2011/09/26 平成23年度企画展 資料が秘めた物語

 平成23年度企画展 資料が秘めた物語

  期間:平成23年6月11日~平成23年9月25日
現代に伝えられた歴史資料には、それぞれ何らかの物語が記録されています。その資料が経験した歴史をたどりつつ、いろいろな方向から光を当てると、内に秘めた物語が紡ぎ出されてきます。本展では、資料館のコレクションのうち、展示機会の少ないものを、秘めていた物語とともに紹介しました。

 

 

 

主な展示資料
『蘭学事始』、「植学啓原色校正図」、「医道四祖画幅」、「精錡水」薬ビン、「箕作秋坪肖像画」など

2011/05/30 平成23年度企画展 彩生―オランダ伝統の技と美―

 平成23年度企画展 彩生―オランダ伝統の技と美― kinukoヒンダローペンスタジオ20周年記念展

  期間:平成23年4月2日~平成23年5月29日
ヒンデローペン(ヒンダローペン)は、北欧との木材取引がさかんだったオランダ北部の小さな港町で生まれ、400年以上続いている装飾絵付けです。洋学資料館の常設展示室もこのヒンダローペンの技法で装飾されており、その絵付けを担当されたkinukoヒンダローペンスタジオの永江絹子先生や、スタジオ講師の方々の作品を展示しました。

 

 

 

主な展示資料
ヒンダローペンで装飾したチェスト、椅子、傘、ワインラック  

洋学資料館展示室装飾のデザイン案など 

 


 

 

2011/03/22 生誕180年記念企画展 美作の板垣退助と呼ばれた医師・仁木永祐

生誕180年記念企画展 美作の板垣退助と呼ばれた医師 仁木永祐

  期間:平成22年11月28日~平成23年3月21日
幕末から明治にかけて、今の津山市籾保で活躍した人物に、仁木永祐がいます。彼は、医師・教育者・地方政治家として郷土のために汗を流しました。自由民権運動にも参加して「美作の板垣退助」と呼ばれるほど大きな役割を果たしています。彼が生まれてからちょうど180年という節目に当たる平成22年に、仁木家に伝わる資料をもとに、彼の一生をふり返りました。

 

主な展示資料
仁木永祐の使用した医療器具・薬箱・医学書、着用した衣服、  

家族や知人と交わした手紙、自由民権運動関係書類など 


 

2010/11/15 平成22年度企画展 日本が描いた異国-印刷博物館企画協力-

平成22年度企画展 日本が描いた異国 ―印刷博物館企画協力―

  期間:平成22年10月9日~11月14日
江戸時代、いわゆる「鎖国」政策を行っていた日本は、海外との接触が厳しく制限されていました。しかし唯一の貿易地であった長崎を通じてもたらされる異国の文物や、4年に一度江戸へ参府するオランダ人の姿は人々の好奇心を刺激し、目にすることのない異国への思いをかき立てました。それを今に伝えているのが、異国の人や動物、珍しい品々を描いた様々な印刷物です。本展ではこれらの印刷物から、江戸の人々が抱いていた「異国」のイメージの数々を紹介しました。
 

主な展示資料
箕作省吾の著した世界地図「新製輿地全図」の版木、

江戸時代の蘭学者たちに大きな影響を与えた洋書『動物図説』『草木誌』、

オランダ人やオランダ船を描いた長崎版画、黒船瓦版、開港後の横浜の様子を描いた横浜絵など
 

2010/04/25 平成22年度企画展 地域に生きて ―蘭方を学んだ医師たちのくらし―

地域に生きて ―蘭方を学んだ医師たちのくらし―

  期間:平成22年4月25日~10月3日
美作地域には、江戸や上方の有名な医学塾で学び、帰郷して地域医療の発展に尽した医師が数多くいます。残された資料をもとに、そのような医師たちの暮らしぶりを紹介します。
 

主な展示資料
薬箪笥、薬箱、蘭引、医療器具、究理堂誡諭之事、外科医術絵巻、華岡青洲書幅、美作国内の医師同士の書簡など
 

2010/03/19 新館開館記念企画展 工芸にみる江戸の阿蘭陀趣味 ―神戸市立博物館所蔵名品選―

新館開館記念企画展

工芸にみる江戸の阿蘭陀趣味 ―神戸市立博物館所蔵名品選―

  期間:平成22年3月19日~4月18日
江戸時代、オランダを介してもたらされた異国の品々は人々を魅了し、異国情緒を好む「阿蘭陀趣味」が生まれました。本展は、新館の開館を記念し、神戸市立博物館の所蔵する一級資料を借用・展示、異国への憧れを物語る工芸品から東西の文化交流を紹介しました。

主な展示資料
相州鎌倉七里浜図(司馬江漢)/色絵阿蘭陀人文八角皿/三彩ユーラシア・アフリカ大陸図皿/藍絵西洋風景図刀掛/薩摩切子藍被せ栓付ガラス瓶/など(全て神戸市立博物館所蔵)

 

2008/10/01 平成20年度特別展 ペリーが来たぞ ―津山藩黒船絵巻を一挙公開―

期間:平成20年10月12日~11月16日
ペリーが来航した時、津山藩はお抱え蘭学者の箕作秋坪らを派遣してアメリカ艦隊の様子を探索させました。そのため、津山にはペリー来航の様子を描いた絵 巻が何種類か残されています。それらの絵巻を一堂に展示して、当時の人々が受けた衝撃の大きさを体感していただければと企画しました。艦隊や人物だけでな く、献上品や持ち物にいたるまで詳しくていねいに描かれた絵巻を、来館者のみなさんは興味深そうに見入っていました。

主な展示資料
米利堅人横浜応接之図、ペリー来航絵巻(個人蔵)/異国船渡来図、北亜墨利加蒸気船渡来図(当館蔵)など

 

 

 

 

 

 

2007/10/14 平成19年度特別展 -美作に残る岸田吟香の足跡-

期間:平成19年10月14日~11月18日
現在の久米郡美咲町栃原に生まれ、幕末~明治期に新聞記者や起業家として多彩な活躍をした岸田吟香は、立身出世の後もかつて世話になった郷里の人々との 交流を大切にしました。津山市周辺、かつての美作国内には、彼が揮毫した書幅や店の看板など、ゆかりの資料が各地に残されています。本展ではそれらの資料 を借用・展示し、吟香の生い立ちや交流の深かった郷里の人々に光を当て、彼の足跡をたどりました。本展を通して、吟香の人となりや郷土を想う彼の心情を感 じ取っていただけたならば幸いです。

主な展示資料

坪井・安藤家に残る関係資料(吟香が贈った書画・掛時計、安藤善一肖像画など)/横浜新報もしほ草/和英語林集成/目薬「精錡水」の看板・薬瓶・錦絵チラ シ など

2006/10/15 平成18年度特別展 -森本家が守り伝えた津山洋学の至宝展-

期間:平成18年10月15日~11月19日
本展では、津山社会教育文化財団の所蔵資料をお借りしました。同財団は、津山の豪商・森本家が母体であり、キリスト教図書館や科学教育博物館(現つやま 自然のふしぎ館)などの文化施設を津山で古くから運営し、歴史民俗資料も豊富です。そのうち、洋学に関する貴重資料を一堂に集めて展示いたしました。江戸 後期の日本のモノづくりの技術や、洋学者を輩出した津山の土地柄、森本家の歴史などに思いをめぐらせていただけたならば、まことに幸いです。

主な展示資料

和時計/望遠鏡/ギヤマン酒瓶・グラス/江馬春齢宛 宇田川玄随書簡/宇田川榕菴自筆 明清楽器図/日米修好通商条約のオランダ語写し/旧津山藩医 芳村杏斎の旧蔵書 など

2005/10/16 平成17年度特別展 (久原躬弦生誕150周年記念)-津山藩医久原家と化学者久原躬弦-

期間:平成17年10月16日~11月20日
津山の二階町出身で京都帝国大学の第四代総長を務めた理学博士久原躬弦の生誕150周年を記念して、彼の生涯と生家の久原家にスポットを当てたのが本展 です。久原家のご子孫から寄託されている数多くの歴史資料のほか、京都大学から寄贈された躬弦の遺品、そして東京工大から昨年里帰りした資料などをもと に、躬弦の生まれ育った環境や彼の生涯を振り返りました。展示を通して、彼の息吹きを感じ取っていただけたならば幸いです。

主な展示資料

オランダ流外科免許状/甲冑/藩主夫人から贈られた打掛/ウィリスからの手紙/躬弦の手紙/愛用メガネ・文具/シルクハット/勲一等瑞宝章/自筆講義録/ 著書・論文 など

2004/09/19 平成16年度特別展 (津山城築城400年記念) -素晴らしき津山洋学の足跡-

期間:平成16年9月19日~11月28日
本展は、津山城築城400年記念事業の一環として開催しました。津山を中心とする美作地域は、江戸時代後期から明治期にかけて、宇田川・箕作の両家をは じめとして、数多くの洋学者を輩出しています。彼らの残した足跡は、日本の洋学史のうえでも光り輝くものであり、築城後の津山の歴史を語るうえでは重要不 可欠です。洋学資料館の収蔵資料の中から、洋学者たちが愛用した品々や自筆のノート・手紙類などのとりわけ貴重な資料を一挙に公開し、彼らの業績や人物像 を広く紹介しました。郷土の偉人の足跡を通して見聞を広めていただき、さらに知的好奇心を高めていただくことができたならば、幸いです。

主な展示資料

宇田川榕菴のスクラップ帳/榕菴が模写したトランプ(和蘭カルタ)/箕作阮甫が殿中で着用した礼服/箕作秋坪が米兵からもらった名刺・紙巻タバコ/久原躬 弦が愛用したメガネや文房具 など

2003/10/05 平成15年度特別展 -横山廉造と香杏館(ある在村蘭方医の一生)-

期間:平成15年10月5日~11月9日
今の真庭郡美甘村出身の村医師で幕末から明治にかけて活躍した横山廉造の人物像を広く紹介する目的で開催しました。彼は、備中松山藩の儒者山田方谷に儒 学を学んだ後、京都や大阪で西洋流の医学を修得し、帰郷して開業します。天然痘やコレラの予防に携わったほか、学校開設資金の寄付や道路改修の請願に取り 組むなど、地域発展のために幅広く貢献しています。廉造の地元の美甘村教委の全面的なご協力のもと、彼にまつわる数多くの資料を展示することができ、有意 義なものとなりました。

主な展示資料

横山廉造肖像画・写真/山田方谷の書幅・書簡/医学書/蘭引(陶製の蒸留器具)/はかり/薬箱

2002/10/19 平成14年度特別展 -シーボルト最後の門人(三瀬諸淵の生涯)-

期間:平成14年10月19日~11月17日
シーボルト最後の門人であった愛媛県大洲出身の三瀬諸淵をクローズアップしてみました。諸淵はシーボルトの孫娘高子と結婚し、高子の実父である石井宗謙 の息子信義とも親密に交流するなど岡山県出身の蘭学者とも大いに関係がある人物です。本展の開催に当たっては、大洲市立博物館より諸淵の遺品や写真など、 貴重な資料を多数お借りすることができました。

主な展示資料

諸淵・高子・おいねの写真/シーボルト愛用のステッキ/キセル/矢立/文鎮/ズボン/ペン拭き/高子のデスマスク

2001/10/14 平成13年度特別展 -杉田玄白門人(小林令助とその時代)-

期間:平成13年10月14日~11月3日
没後150周年を迎えた小林令助にスポットを当てました。令助は蘭学の大家杉田玄白に外科を、そして漢方医の吉益南涯に内科を学び、帰郷して村医師を勤 め、出石藩医にも取り立てられています。そのような郷土の先人を皆さんに紹介したいというねらいで開催しました。勝央町ゆかりの人物だけあって、同町にお 住まいの方々が数多くお越しくださいました。

主な展示資料
杉田玄白書簡/宇田川玄真書簡/永楽銭紋入り裃/出石藩主より拝領の扇子/尺八

2000/10/08 平成12年度特別展 -それぞれの日蘭交流(武士・町人・オランダ人)-

期間:平成12年10月8日~29日
神戸市立博物館のご協力を得て、日蘭交流400周年を記念した特別展を企画しました。日蘭交流の歴史の大半を占める江戸時代、西洋の文物に親しんでいた のは、洋学者や長崎の和蘭通詞たちだけではありません。武士や町人たちも、日常の生活に異国趣味(オランダ趣味)を取り入れ、楽しんでいたのです。そうし た品々を中心に展示し、日蘭交流史の一端を紹介しました。

主な展示資料
和蘭望遠鏡/反射式のぞき眼鏡/異国人根付/彩絵緑色阿蘭陀人文角形ガラス瓶